● 2005年 第3回定例会
 ●16年度決算審査特別委員会の総括質問から
 NPM予算編成システムを導入後、初めての決算審査特別委員会、田中和子議員と村越越が担当しました。
★NPM予算編成システムは、やはり問題!
 NPM予選編成については昨年のニュース25号、27号でも、「各部枠の設定」や「複数年での借金返済」の問題点などを指摘しましたが、今回の決算審査で、その欠陥が明白となりました。
 例えば、介護保険部については、左記の表で分かるように、16年度の予算委員会で示された借入額が、決算ではなんと11億円余も増加しています。これは、介護保険部から繰出す「国民健康保険特別会計」「老人保健特別会計」「介護保険特別会計」が過去3ヵ年の平均より、それぞれ17.9%、31,1%、31%と大幅に伸びたことによるものですが、予算算定の段階で、これら特別会計への繰出しの伸びを全く考慮せず、過去3ヵ年の平均から「各部枠」を設定すると言う、あまりにもずさんな配分を行った結果と言えます。
 介護保険部の膨大な借入は、職員削減等で得たインセンティブで5700万円、17年度の繰越金、8億8700万円でその大半を返済し、現在は2億6300万円となりましたが、同じく借入が多額であった福祉部では、5900万円をインセンティブとして返済したものの、17年3月末の借入は7億7900万円にものぼり、職員100人を削減してもその返済は不可能です。
 「過去3ヵ年の平均で各部枠を設定する方式では、新たな施策や部の枠を超え横断的に事業を実施する施策に柔軟に対応できない」との私たちの指摘に対し、「予算編成会議で、全庁的な視点で検討を行っており、そんな懸念はない」との強気の答弁でした。今後、どのように各部間の調整を行い新規事業等に対応していくのか、そのお手並みを拝見していきたいと思います。しかし、文京区基本構想実施計画策定委員会での「NPM予算は否定しないが検証し改善していく必要がある」との委員の発言や、予算編成会議での「部枠の算定方式については、扶助費などを別にし、部長権限の発揮できるものだけにすべき」との職員の発言を真摯に受け止め、改善できるところは早期に改善することが必要と考えます。

☆大きな欠陥を露呈したNPM予算編成システム初年の16年度決算を「市民フォーラム」は認定しませんでした。
<介護保険部 16年度予算と決算の比較>
     要求限度額(各部枠+政策枠)
             40億2330万2千円
一般財源の決算額 53億9909万7千円
決算での借入額 △13億7579万5千円
予算での借入額 △ 2億4500万円    
予算と決算の差 △11億3000万円
 ●主な議案の審査結果より
★「市民フォーラム」も賛成
◎文京区立保育所条例の一部を改正する条例

 文京区初めての幼保一元化施設「柳町こどもの森」がいよいよ来年春、開設されます。しかし、1歳から3歳までは保育園、4歳と5歳が幼稚園と明確に区別され、それぞれの入園資格も従来の保育園、幼稚園のままで、「親の就労の有無にかかわらず同じ保育を」との国の総合施設とは異なります。また、4歳、5歳クラスは幼稚園との位置づけから、保育料が他の公設保育園より高く設定され、教育改革区民会議の答申で述べられた「保護者の選択肢の拡大」となるか疑問です。 
 幼稚園の入園募集が始まる時期になっても、保護者にとって一番関心が高い幼稚園職員、保育職員の配置が未だ示されていません。一刻も早い公表を求め、また、この園が「基本構想」に書かれた「厚みのある子育て環境」となることを期待し、条例には賛成しました。

☆文京区の公設保育園として初めて給食調理を民間に委託することについては、再度、反対の意見を述べました。
                

★「市民フォーラム」も反対
◎文京区寿会館条例を廃止する条例

 廃止される17の寿会館の内、4箇所は、「改正介護保険法」に新たに盛り込まれた地域密着型サービスの拠点に転活用されることになりました。しかし、その運営は民間に任されるので、これまで活動してきた高齢者クラブ等の活動が継続できる保証は全くありません。また、交流館に移行する館についても、「当分の間、3ヶ月前から1ヶ月分の予約」と言う優先はあるものの、有料での使用になります。07年からは団塊の世代が定年を迎え、ますます活動の場が必要とされる今、高齢者の地域活動の場を狭めることは時代に逆行するものであり、認められません。

☆交流館で実施予定の世代間交流も「指定管理者任せ」とのことでは問題です。
 
 ●「分権」特別委員会の審議から
★区民への説明責任が後退!
 昨年度実施された944事業の評価がまとまり、公表されました。評価表の様式が今回、変更されA4一枚になり、事業コストは当該年のみの記述で前年との比較ができなくなりました。また、区民がホームページで見られる「事務事業評価総括表」から、各事業の事業費の欄が削除されました。「区民にとって関心が強い事業費の記述は残すべきでは」との私の質問に対し、「総括表は入門であり、関心がある人は各事業の評価票を調べて」との答弁でした。しかし、評価票を見るためには行政情報センターで開示請求を行わなければなりません。今回の評価表の様式の変更、事業費欄の削減は、「事務事業評価要領」に書かれている「目的」の、「区民に対する区政の説明責任を徹底する」に反するのではないでしょうか。 

☆ 「事業の目標の立て方が問題」との声がありましたが、NPM予算編成導入後、各部は、それぞれに認められた予算配分枠内で事業を実施することが最大の「目標」になっています。各事業の「有効性」より「効率性」が優先され、区民へのサービス切捨てに事務事業評価が使われることには反対です。         


★江戸東京博物館は23区のための施設?
 99年に議員になった当時に議論となっていた東京都と23区の財源配分に関する協議は6年経っても未だ決着していません。争点の一つが「大都市事務」の範囲で、都は「政令指定都市が行っている事業」と拡大解釈し、江戸東京博物館を始めとする各種の文化施設は23区のための施設としています。これらの施設が「23区のための施設」であり続けるなら、今後、大規模な改修を行う際、その膨大な改修費用が23区の大きな財政負担となります。  
 ●「少子化」特別委員会の審議から       
★場当たり的な「保育計画」では困ります。
 
児童福祉法では、保育園の待機児が50名を超えた時は「保育計画」の策定が義務づけられていますが、本年4月、文京区では待機児が58人となりました。今回、区が策定した「保育計画」によれば、来年春に開設される柳町幼保園と、来年中に開設予定の認証保育所により95名の枠が確保できるとのことです。しかし、58人の待機児には、現在、認証保育所等で保育されている児童数は含まれておらず、その数を含めると、待機児は今でも90人近くとなります。また、区内のマンションの建築状況を見れば、95名の枠はあまりにも少なすぎます。人口推計等に基づき、中・長期の保育計画を作成することが必要と思います。

☆その他の報告―男女平等参画推進計画の進捗状況について
 
☆今定例会から委員長になりました。委員長席近くの「与党」議員たちの多くは委員会の審議には関心がないらしく、もっぱら隣同士のお喋りに夢中でした。審議に参加せず、四千円の費用弁償を受け取ることに心が痛まないのでしょうか。    
 ●厚生委員会の審議から        
★施設入所と在宅の不公平、本当に解消?
  「改正介護保険法」の施行により10月1日から特別養護老人ホーム等の介護保険施設の利用料が変更され、居住費、食費の自己負担が始まることから、条例改正の審議が先行して行われました。
 介護保険施設での平均的な居住費は4人部屋の1万円〜ユニット型個室の6万円で、平均的な食費は1ヶ月4万2千円です。これらの自己負担の導入は、在宅と施設入所者の負担の不公平を是正することが目的と言われていながら、在宅のショートステイ、デイサービス利用者も滞在費、食費を新たに負担することになりました。負担増による利用者の減少は施設の運営にも影響を与えます。荒川区は通所利用者への食事代補助を決めましたが、文京区でも、利用状況の推移を見て、補助を検討すべきと思います。
 新たな負担に対し、種々の利用者負担軽減制度が設けられましたが、対象者の要件が様々であり、申請が必要です。対象者が負担軽減制度を確実に利用できるよう、在宅の利用者や家族へも周知・説明を徹底するよう求めました。
☆来年4月の制度改革を待たず、負担増のみ先行する条例改正に反対しました 

★消えてしまった「男女平等参画」を復活!
 来年改定される地域福祉計画の「中間のまとめ」(案)が示されました。現在の計画と入念に比較したところ、「地域福祉の推進」の基本的考え方から「地域福祉の各分野において、男女平等参画の理念のもとに施策の展開を図る」と言う記述が削除されていることに気づきました。「男女平等参画の推進」は地域福祉計画の基本理念の一つであり、バックラッシュの状況下、この削除は問題であると指摘したところ、「記述を検討する」との答弁があり、後日、地域福祉推進協議会で示された「中間のまとめ」では、「男女平等参画の推進」の記述が復活しました。