● 「官から民へ」、考え直してみませんか?(2006 1月)
 昨年のトップニュースはやはり「総選挙」ですが、尼崎での列車転覆事故やホテル、マンションの構造設計偽装事件も大きな衝撃を与えました。
 列車転覆事故では、民間会社となったJR西は利益拡大を至上命令とし、他社に勝とうと過密ダイヤを組み、運転手に少しの遅れも許さず、事故を誘発させました。また、構造設計偽装事件では、利益優先で「経済設計」の名の下に偽装を強要した建築主らに一義的な責任はあるものの、建築確認と言う重要な検査を民間に委ねたことが違法建築を拡大させました。
 「お役所仕事」と言う実態もあり官自身、反省すべき点は多々ありますが、これらの事故・事件から、「何を民に、どんな民に任せるか」「何は官ですべきか」など、今、考え直す時期にきているのではないでしょうか。
 文京区でも新行財政改革推進計画で「区政の効率化のために職員の削減を。そのために、保育育士の退職者不補充で2園を民営化」が示され、現在、保育園保護者も入った「新行財政改革における保育園のあり方検討協議会」で検討が行われています。
  保護者たちが一番重要と考えるのが「保育の質」ですが、非常勤雇用に頼る民営園での保育士の継続性は難しく、「保育の質」の確保も困難なのが実状です。「どんな民に任せるのか」の十分な検討や、「民に任せた後のチェック体制の強化」が求められるのではないでしょうか。そもそも論ですが、親に代わって子どもを育てる大切な「保育」を効率性、経済性などの観点で安易に「官から民に」すること自体が問題なのではと思います。
 昨年、ついに日本は人口減少となり国もやっと少子化に本気で取り組もうとしています。しかし、子育てに関する国の予算は高齢者の予算に比べ格段に少ないのが現状です。十分な予算配分が行われ、官であれ民であれ「保育の質」が確保でき、仕事をしながら安心して子どもを生み育てられる社会にしていきたいですね。