2007年度 文京区政への提案

                                               
文京区長   煙山 力 様
文京区教育長 宮下 眞 様

                                               
市民フォーラム文京区議会議員団
                                                     
村越まり子  木村民子
                                       鹿倉泰祐  田中和子
                                
文京区政に真の区民参画を


文京区は2005年4月に「文の京」自治基本条例を施行しました。自治基本条例は、その目的を「文京区の自治の基本理念としての協働・協治の考え方並びに区民、地域活動団体、非営利活動団体及び事業者の権利と責務並びに区の責務を明らかにするとともに、協働・協治の基本的事項を定めることにより、豊かな地域社会を実現することを目的とする。」としましたが、その検証が区政に求められています。

@ 6月6日開催の教育委員会において、「区立小・中学校の将来ビジョン(素案)」及び「第五中学校・第七中学校統合及び新校舎の建設について」が決定されたが、これらの決定が、自治基本条例の「自治の基本理念としての協働・協治の考え方」から大きな乖離があることは、その後の区民説明会や学校関係者から寄せられた多くの意見や新大塚公園の都市計画変更方針の撤回、統合計画の変更に明確に現れている。
A 秘密裏に進められてきた東洋文庫と総合体育館用地の交換、昭和小学校と駕籠町小学校の統合と元町公園の都市計画変更・廃止、プロポーザル事業での総合体育館の建設計画でも、「自治の基本理念としての協働・協治の考え方」から大きな乖離があること明確だ。
B 区長は、元町公園の都市計画変更については、7月26日開催の都市計画審議会が継続審議となってから旧元町小学校跡地等利用検討会を急遽設置したが、この複雑なドミノ的な公共施設建設・土地交換事業に於ける基本的な資料や情報の殆どを非公開としたことで、自治基本条例と情報公開条例を骨抜きにしてしまったことについても深刻な反省が求められている。
C 旧四中跡地の活用では、区民参画で作成された報告書があるにもかかわらず、東大のプロジェクトである「船井未来創造館」の計画が昨年突如として浮上し、その検討を庁内PTで行うとしたが、現在ではその庁内PTも開催されないまま特命担当課にその交渉が委ねられ、東大のプロジェクトと教育センター機能の分散化等の問題と複雑に絡み合っている。しかも、本年4月に生涯学習部を廃止し教育推進部と文京アカデミーを設置するに至った経緯と整合性もなく、教育推進部の事業である教育センター事業の一部の移管が場当たり的に検討されているのは朝令暮改と言わざるを得ない。
これらの計画や事業の特長は、自治基本条例における「協働・協治」が、区長と特定の関係にある組織や団体との「協働・協治」に限定され、トップダウン方式で区民参画の手続きを保証することなく、政策調整会議や事務調整会議、各種庁内PTによって強引に進められていることである。
文京区政の現状は、自治基本条例の「協働・協治」というには程遠く、区民参画が自治基本条例以前に後退している。区政に問われているのは、真の区民参画の実現であり、改めて区民参画条例、区民活動推進条例の早急な制定を行うべきである。

T 予算編成と区民ニーズの実現                   

区は平成19年度予算編成方針を策定したが、その基本的な考え方で示されている「新公共経営の理念に基づく予算編成」である「NPM予算編成システム」は、シーリングによる予算削減の方式の一形式といわざるを得ません。
決算委員会でも指摘してきたように、NPM予算編成による複数年度の借り入れ・返済は実際に行われておらず、新たな法改正や組織改正などに対応しにくいなどの課題も多く、この予算編成手法は小幅な見直しではなく、抜本的な改善か中止こそ求められています。
NPM予算編成システムは、「真に必要な区民ニーズを早期に実現」する手段にもなっていません。
 例えば区長が、11月8日に庁議決定した乳幼児医療費の拡大等は、8月末に提出されている政策枠事業企画書にもなく、追加施策として急遽提案されています。区は、決定するに当たり都の予算編成を理由としましたが、NPM予算編成システムが「真に必要な区民ニーズを早期に実現」する手段であるなら、議会でも議員提案で6回も条例提案があったことを踏まえ、子ども医療費の助成拡大が「真に必要な区民ニーズ」として検討した上で早期に提案されるべき事業でした。
 予算編成方針では、「重点施策」として「家庭から地域へ子育ての環を広げ、家族の笑顔があふれるまちづくり」「子どもたちの多様な個性を輝かせ、未来を見据えた教育を推進」「緑を増やし、ゆとりと潤いのある環境で、誰もがいきいき暮らせるまちづくり」を示していますが、真にその実現を考えるなら私達のこの区政への提案が反映されることが不可欠です。
 
<予算編成の公開・区民参画>
 地方自治体の予算制度は、住民・自治体議会による行政に対する民主的統制機能が求められています。決算の予算への反映、分かりやすい予算制度、予算編成過程の透明化と区民参画、複数年度を見通す仕組みの構築が、区民から求められています。文京区の予算編成は、会議の原則公開の視点で、予算編成過程の透明化と予算編成への区民参画を実施すること。

<財源の確保と税源移譲の推進>
 都区協議会で固有財源としての調整3税の確保と区側の事業実績を充分に反映させること。都区のあり方に関する検討委員会で、安易に特別区の区域の再編に関する議論を行わないこと。
 中央競馬場外馬券発売所等への課税を含め、新税の検討を具体化させること。ミニ公募債を積極的に活用すること。

<三位一体改革に伴う税源移譲について>
 個人住民税は文京区にとっても基幹的な税源です。住民税のフラット化による減収と国庫補助負担金の廃止・縮小による影響は多大であり、全国市長会を通じて税源確保を強く主張すること。

U 区立小・中学校将来ビジョン(素案)に関して

<素案の見直しは区民参画で>
素案は、現在の区立学校が抱える問題の調査・分析を行うことなく、教育委員会事務局の一方的な机上の学校改築計画です。素案をそのまま案にすることは区民の理解は得られません。24回行われた区民説明会での区民意見、素案に対するパブリックコメント、保護者等のアンケート結果を真摯に受止め、素案を見直し、区民参画で将来ビジョン(案)の作成を行うことを求めるとともに、以下の課題には慎重に取り組むことを求めます。
・現在の大規模小学校をますます肥大化させることは、教育環境の向上や登下校時の安全確保を困難にします。児童一人ひとりに目が行き届いた教育を実現するためにも、学校の大規模校化は行わないこと。
・区民から批判を受けている指定校変更制度の運用については、その事由を明らかにするなど、制度運用の透明化を図ること。
・誠之小学校、窪町小学校における第二校舎の設置は、教育目的に沿って行われるものではありません。校舎の都合を優先しての分校化は行わないこと。
・育成室の校内設置については、「放課後子ども推進教室」と「学童保育事業」の一体化を拙速に進めないこと。当事者を含めた検討会を設け議論を重ねること。
・教育と福祉の連携、一体化においては、障害児のみが集まる施設を作らず、障害児も健常児もともに過ごせる学校を増やすこと。
・区民から要望の強い教育委員会委員と保護者等区民との意見交換会を開催すること。

<区立第五中・第七中の統合計画は見直しを>
・教育委員会は6月6日に決定した区立第五中・第七中の統合計画の変更を発表しました。
両校を希望した保護者からは、中学3年生の9月に新校に移転するのは不安であるとの意見が寄せられています。小学校6年生保護者や児童に大きな不安を与えている統合計画は拙速な計画であり、教育委員会の責任は重いものです。統合校建設は緊急課題と位置づけて拙速に進めることなく、学校選択制における2007年度の希望校調査や入学者数の実態を考慮し、区立中学校のあり方全体の中で見直しを図ること。
・新大塚公園は都市計画変更を行うことなく、兼用工作物として新校のグラウンドとして使用予定です。しかし、この計画では新大塚公園は存続するものの、区民にとって公園利用は大きな制約を受け、都市公園法に定める「都市公園と他の工作物との相互の効用」が果たせることにはなりません。新大塚公園を統合校のグラウンドにする建設計画は、建設予定地も含め、住民参画で時間をかけ慎重な議論を重ねること。

V 2007年度区政の主要施策に関して

(1) 人権・平和に関して

<国民保護計画について>
国民保護計画の策定に当たっては、国民保護協議会の議論が不十分であり、その答申案については再度、区民参画で慎重に検討をすること。通常の防災訓練を拡大した武力攻撃災害に対する訓練に区民を巻き込まないこと。国民保護措置上、武力攻撃災害時における住民の避難誘導などの消防団の新たな任務には反対です。非核・平和都市宣言をしている文京区は区民の生命財産を守るだけでなく、歴史的遺産、文化財等を守るため、戦争に協力しない「無防備宣言地域」として「平和都市条例」を制定すること。

<住基ネット>
 個人情報保護、国民総背番号制などの問題が多々発生する住基ネットについては、憲法違反となりうるという点で係争中であり、進めるべきではありません。住基ネットカードの発行に関しても、区民の希望者はまったく増えず、費用対効果からも問題です。区は住基ネットから離脱し、公的個人認証制度については住基ネットから切り離すよう国に改善を求めること。

(2) 教育における課題について

<教育委員会のあり方について> 
教育委員会規則を理由に教育委員会への請願を受理しないのは憲法で保障されている請願権の否定です。請願の受理に関する手続きを早急に見直し、文化財保護審議会への諮問を求める請願を改めて受理すること。
文京区の教育に区民の声を反映するため、教育委員会と区民との対話の機会を持つこと。また、教育委員会の夜間開催を行うこと。傍聴者の数を教育委員会室の広さで制限せず、希望者が傍聴できるよう規則を改正すること。

<教育センターの機能分散について>
学校統廃合問題により、教育センターの機能分散を前提とした機能検討委員会が設置され、区民参画を図ることなく議論が進められてきました。教育センターは学校統廃合とは切り離し、教育の充実を図るための総合的機能を整えること。また、教育センターの役割として、区民の学習活動の支援と場の提供を今後も続けること。


<少人数学級を実現すること>
将来ビジョン(素案)は少人数学級について言及していません。文部科学省が小・中学校の学級編成権を市町村教育委員会に委譲したことにより、都の方針決定を待つことなく少人数学級は区の裁量で実現できます。特に低学年児童には、一人ひとりに行き届いた指導が必要です。少人数学級に向けた検討を速やかに行い、一刻も早い導入を行うこと。

<特別支援教育に向けて>
 特別支援教育に向けた教員の研修、校内体制を整えること。個別の教育支援の取組みには当事者の声を十分に反映すること。現在通常学級に在籍するLD、ADHD、高機能自閉症、軽度発達障害といわれる児童に対する支援体制を整えること。

<学校教育におけるいじめ対策について>
いじめは、児童・生徒への重大な人権侵害であることを教師自ら深く認識し、解決に当たることが必要です。そのために、教職員に対する研修に人権教育プログラムを取り入れること。教育委員会はいじめに悩む児童・生徒の実態を把握し、スクールカウンセラー、家庭、学校、関係機関などが連携して、いじめられた子どもの側に立って、緊急に適切に対応すること。
また児童・生徒自身にも自らを守るCAPや「暴力防止プログラム」を、学校において教師とともに行い、非暴力の考え方を学ぶ機会を設けること。

<文京アカデミーについて>
 これまでの文京区の生涯学習は区民が大きな役割を担ってきました。しかし文京アカデミー移行後は行政の考え方や事業が中心になり、区民参画が見えないものになっています。文京アカデミーの役割は、大学の生涯学習講座の人集めでもなく、企業メセナの支援でもありません。文化芸術、国際・観光、生涯学習・スポーツの各会議の公募区民委員を入れること。区民の文化活動を広く支援すること。講座費の設定は区民の誰でもが参加しやすい金額に設定すること。また、予算・決算審査委員会へ(財)文京アカデミー職員の出席を求め、議論の場を保証すること。

(3) 少子化対策・子育て支援について

<乳幼児医療費無料化>
 2007年度からようやく中学生まで実施されることになった乳幼児医療費無料化については、10月実施ではなく、早期実施に向けて努力すること。都は対象者の所得制限を設けていますが、区の制度との整合性を図るため、「所得制限撤廃」の要望を、都に行うこと。

<児童虐待防止>
改正児童虐待防止法により区市町村が、児童虐待の一義的な相談の窓口となり、子ども家庭支援センターの役割が重要となっています。文京区児童虐待防止ネットワーク連絡会が実質的に機能するよう求めます。2006年度から小石川・本郷両保健サービスセンターで実施している虐待発生予防事業では、4ヶ月健診の保護者の約4割が要支援となっています。要支援対象者への支援・相談体制を強化し、母親たちの育児不安に対し、適切かつ継続的に対応すること。

<出産に関する支援>
 現在23区が医療機関に委託し、妊娠前期と後期の各1回実施している妊産婦無料健診を拡大すること。また、第2子妊娠・出産時に、第1子を預けられる施設や事業を整備し、安心して出産できるよう支援すること。

<新生児訪問の拡大>
 生後28日までの新生児の家庭に保健師又は委託助産師が訪問指導を行っていますが、支援が必要な家庭に対しては4ヶ月までに拡大すること。2007年度から実施予定の「新生児沐浴指導」は助産師の派遣となっていますが、育児不安の母親たちの虐待発生予防の一環として、保健サービスセンターと連携を強めるためにも保健師の訪問が不可欠であり、保健師の増員を図ること。
 また、「出産前及び出産後小児保健指導」の効果を検証し、整合性を図ること。

<子ども家庭支援センターの機能強化>
 シビック内の子ども家庭支援センターは虐待防止ネットワークの核であり、今後子育て相談機能などの強化が期待されます。人員の拡充とともに、非効率的なシビック内の配置を見直すこと。

<子育て広場の拡充>
2007年度から、西片・汐見の子育てひろば開所時間の延長が決まりましたが、区内の子育て広場の増設が望まれます。特に小石川地区の子育て広場を開設すること。また、シビック子ども家庭支援センター内のぴよぴよひろばは、スペースを拡大するよう庁内で調整を図ること。

<保育ビジョン策定に関して>
 保育ビジョン策定検討委員会で活発な議論が始まっていますが、委員が納得のいくビジョンにするにはまだまだ充分な時間が必要であり、ビジョンを拙速に策定しないこと。保育の質が確保されない保育園民営化には反対です。行革の視点だけで行われる民営化の検討に入らないこと。

<ファミリーサポート事業の改善>
2006年11月の時点で、依頼会員1341名、提供会員171名というように、アンバランスな状況が続いています。保育園の迎えと帰宅後の援助依頼が多いことから、ニーズに適切に応えるための抜本的改善を検討すること。

<一時保育と緊急保育の一体化>
一時保育と緊急一時保育の利用要件を見直し、緊急対応にも応じられる保育事業として一体化すること。区立保育園3園で実施の緊急一時保育の拡大に向け、施設の整備、人員の確保に努めること。

<保育園施策について>
マンション建設ラッシュに伴う保育需要の拡大を見通し、中長期的な計画を立て、保育園の待機児解消を積極的に図ること。耐震改修に伴う定員増を効率的に図ること。区立保育園より高額な認証保育園の保育料の助成を実施すること。

<育成室の拡充>
 学校統廃合による育成室の大規模化は賛成できません。単独・児童館内の育成室についても、公設公営で、維持・継続すること。各地域の状況に応じた待機児対策を進めること。特に千石地域の育成室を早急に新設すること。
全児童対象の「放課後子どもプラン」と育成室事業とを連携させ一体的に運営することは問題であり、慎重に対応すること。

<病後児保育>
 区内1箇所の小児科に委託していますが、保護者のニーズは多く、小石川地区に増設すること。運営費の補助の仕組みを検討し、運営の安定を図ること。

<子育て支援券とアシストカード>
子育て支援券は、保護者のニーズに応えるものか、子育て支援として使われたのか、その実態を調査し、経済的効果を検証すること。
アシストカードを継続するに当たっては、区商連とも協議し、システムの見直しをすること。

(4)高齢者施策について

<後期高齢者医療制度・広域連合>
 75歳以上の高齢者から保険料を徴収する後期高齢者医療制度には反対です。広域連合議会への被保険者、自治体の意見反映ならびに広域連合議会からの各区への情報提供の仕組みを設けること。

<地域包括支援センターの拡充を>
地域包括支援センターの主要業務である、総合相談、権利擁護養、ケアマネジメント支援等を円滑に実施するため、区直営の地域包括支援センターをシビック内に設置すること。
4地域包括支援センターは、介護予防プラン作成作業に追われているのが実態です。相談等の主要業務が充分に実施できるよう、職員の拡充をすること。

<軽度者への特殊寝台購入助成の延長とレンタル助成の実施>
 特殊寝台や車椅子の利用対象からの除外を介護度により機械的に行うべきではありません。特殊寝台、車椅子を、必要な人が利用できるようにすること。
東京都とともに行われる特殊寝台の購入助成を2007年4月以降も延長すること。また、レンタル費についても区独自の助成制度を設けること。

<特定高齢者把握の調査項目の改善を>
 要支援・要介護になるおそれの高い特定高齢者を把握するために国が作成した調査項目は高齢者の実態にあっていません。国に対し、調査項目の改善を求めるとともに、予防プランの作成にあたっては当事者の要望等を十分に聞き、本人の意向にそったプランを作成すること。

<訪問介護の生活支援の要件について>
 「同居」の規定が他区に比べ厳しいとの声が区民から寄せられています。「同居」の範囲を拡大して適用しないこと。利用者、介護者の状況を充分に把握し、「同居」により一律に生活支援を切り捨てないこと。

<介護予防事業の情報の共有化を>
区内で実施されている介護予防事業のネットワーク化を図ること。介護予防事業の情報を区、地域包括支援センター、ケアマネージャーが共有化し、身近な地域で予防サービスを受け、元気で健康な生活を維持することができるよう、区民への情報提供を積極的に行うこと。
 
<地域密着型サービスの円滑な実施を>
 小日向、西原、森川、礫川の旧寿会館を活用して実施される認知症対応型通所介護、小規模多機能型居宅介護等の地域密着型サービスが円滑に行われ、区民に適切なサービスが提供されるよう、事業内容の把握に努めること。事業者が使用していない時間帯の地域開放を積極的に実施するよう、事業者と充分に協議すること。

<介護施設等におけるホテルコスト・食費の助成>
 2005年10月より始まったホテルコスト・食費の自己負担導入による施設利用者、ショートステイ等利用状況、施設への影響を検証し、低所得者への区独自の助成を検討すること。

<グループホームの増設>
 グループホーム建設は日常圏域ごとに設けられた目標数値にとどまらず、さらなる増設が求められています。区有地の提供など、区として積極的な誘致に努めること。

<第三者評価によりサービスの質を確保と入居施設の増設>
 2006年、特別養護老人ホームでの職員による虐待事件、老人保健施設の経営悪化による閉鎖など、高齢者入所施設において重大な事件・問題が起こりました。特別養護老人ホームをはじめとする高齢者の入所施設の第三者評価を経年的に実施し、その結果を広く公表し、サービスの質の確保に努めること。

(5)障害者施策に関して

<利用料の1割負担の撤廃と所得保障の拡充を>
 本年10月より、障害者自立支援法が完全施行されました。これまでの応能負担から利用料の1割負担への変更は所得保障が充分でない障害者に大きな負担となっています。区内障害者の実態をきちんと検証するとともに、1割負担の撤廃と障害者の所得保障の拡充を国に求めること。

<障害者程度区分判定の改善を>
 障害者のサービス量や施設入所の基準となる障害者程度区分判定は、知的障害者、精神障害者で一次判定と二次判定に大きな差がでるなど、障害者の実態をきちんと把握できません。区分判定項目の抜本的な改善を国に求めること。
サービス量については、区分判定だけで機械的に決めることなく、障害者当事者の要望を充分に考慮すること。

<障害者就労支援センターの新設を>
2007年4月から始まる「就労支援体制の整備」に関して未だ職員配置が示されていません。就労相談から就労後の支援まで総合的に障害者の就労を支援するため、充分な職員配置を行うこと。訓練室、障害者たちが集える場等も備えた就労支援センターを新設し、障害者の就労支援に積極的に取り組むこと。
区有施設、区関係機関においてもさらなる障害者の雇用に努め、民間企業に対し、障害者雇用拡大への協力を求めること。
 
<障害者が生活する場の確保> 
障害者自立支援法の趣旨である「施設から地域へ」を実現するには、6戸の区立障害者住宅ではあまりにも少なすぎます。障害者住宅、グループホーム、ケアホームなど、障害者の住宅施策の拡充に区は責任を持って取り組むこと。

<地域で生活する障害者への支援>
 緊急一時保護施設は、動坂福祉会館、藤木荘だけでは数量的にも、質的にも不十分です。利用者への要望に応えるためにも、現在の施設を早急に改修すること。また、新たな施設の建設も検討すること。
施設の障害者が地域で生活するためには、自立に向けた訓練が必要です。生活訓練施設を新設し、障害者の自立支援に努めること。

<重度障害者入所施設の建設支援を>
 保護者の高齢化などにより、重度障害者が在宅で暮らし続けることが困難になるケースも増加しています。区有地の長期貸付を行うなど、重度障害者入所施設の建設を積極的に支援すること。

<精神障害者の経済的負担軽減を>
 障害者自立支援法により、医療費や小規模授産施設等の福祉サービス利用料の負担が実施され、通院医療公費負担制度の廃止による当事者の経済的負担も増加しました。安心して医療・福祉サービスを利用できるよう、医療費の公費負担や施設運営補助金等を今後も実施するよう国や都に要望すること。

<児童デイサービスは無料に>
 障害者自立支援法施行に伴い児童デイサービスの利用料の1割負担が導入されました。児童福祉の理念に基づき、障害のあるなしに関わらず児童を対象としたサービスは自治体として提供すべきです。児童デイサービスの1割負担はやめ、無料とすること。

<高齢障害者のための新たな施設の開設>
 小規模授産所等の利用者の高齢化が進んでいます。新たな入所希望者の受け入れを可能にするためにも、高齢化した利用者が安心して移行できる新らたな施設を早期に開設すること。
 
<福祉センターの見直しは当事者参画で検討を>
 現在庁内で行われている福祉センターの見直しについては、障害者や保護者等の当事者が参画できるような組織を立ち上げ検討すること。福祉部だけではなく教育部局を含め、全庁的に検討すること。

(6)区民の健康に関する施策について

<健康センターの今後のあり方について>
区民の健康維持のため、生活習慣病対策や介護予防関連事業など健康センターの果たす役割は今後ますます重要です。健康センターの看板を下ろすことなく、組織上の位置づけを明確に行うこと。また、4月からの小石川保健サービスセンターのシビックへの移転後も、健康センター利用者への著しいサービス低下とならないよう、事業を実施すること。利用者懇談会等を定期的に開催し、利用者と充分に協議すること。

<乳がん検診・子宮がん検診の拡充を>
国の方針により、乳がん検診、子宮がん検診ともに隔年実施となり、乳がん検診は検診場所・時期が限定されるなど受診がしにくくなりました。身近な場所で、手軽に検診が受けられるような仕組みにすること。乳がん検診の受診年齢を40歳から30歳に引き下げること。

<健康ぶんきょう21は区民参画で>
これまでの計画の効果分析を行うとともに、明確な目標を設定すること。計画づくりは区民参画で行うこと。

<思春期の健康相談の充実を>
思春期の男女がお互いの健康を尊重する意識の啓発に努めるとともに、体や心のみの相談機能を充実させること。学校などを中心とした性教育を充実させること。

<小児アレルギー疾患に対する健康教育の充実を>
小児期のアレルギー疾患は増加の一途をたどっている。小児のアレルギー疾患は医療機関では十分に行えない生活指導や心理相談等で予防・症状の改善が可能である。アレルギー疾患全般を対象とした健康教室の更なる充実に努めること。また、保育や教育現場での教職員のアレルギー疾患への理解を高めること。

(7)アスベスト対策について

<教育や福祉施設とでの除去対策を早急に>
 区有施設のアスベスト調査を完了させ、教育や福祉施設等での除去工事を早急に完了させること。アスベスト除去工事の予算は各部枠ではなく政策枠とすること。私立幼稚園や保育園へのアスベスト改修工事への支援を行うこと。アスベストに関する情報を区民に周知するとともに、新しいリスクコミュニケーションを推進すること。

<さしがや保育園のアスベスト問題解決にむけて>
 さしがや保育園でのアスベスト暴露からすでに8年が経ちました。本年度中の協定締結に向け、最大限の努力を行うこと。喫煙により発症のリスクは大幅に拡大します。区内小中学校での禁煙教育を積極的に実施すること。

<アスベスト対策の要綱に関連して>
 要綱で限定されている解体工事に、改修工事も含めて対応すること。事業者への周知徹底を図り、届出を促進させること。区民の相談には誠実・迅速に対応すること。共同宣言にあるように民間施設においても、新築・改修工事の際にアスベスト含有建材を使用しないよう、強力にすすめること

(8)男女平等施策に関して

<男女平等参画推進計画の推進>
「文京区男女平等参画推進計画」の改定では、「ジェンダー」の概念を明確に規定しており、評価できます。今後はこの計画を全庁的に推進させることが必要です。区民に対しても、計画が画に描いた餅にならないよう、周知を積極的に図ること。

<区における積極的改善措置を>
区職員の女性管理職は73名中11名で、前年より上昇したもののまだ、15.1%に止まっています。区は職員の勤務評価に成果主義を取り入れることから、妊娠、出産、育児などにより、女性が不利益にならないよう、積極的改善措置を講じ、職場環境づくりを行い、女性幹部の登用を進めること。

<育児休業の取得支援>
計画の中では区職員の育児休業の取得率を女性100%、男性10%としていますが、区内企業のモデルとなるよう、率先して取得を勧め、区内事業者にも奨励すること。

<苦情対応機関の設置>
男女平等参画社会実現に向けての課題や区の施策についての苦情に対し、相談を受けるとともに、ジェンダーに敏感な視点から、解決を図ることが求められます。苦情に対応する体制を整備すること。

<女性への暴力防止対策について>
DV被害の相談窓口を列記したカードに、男女平等センターの女性相談が入っていません。カードの再発行の時には、被害者が求める情報をきめ細かく提供するよう改善すること。DVに関しては、配偶者だけでなく、恋人からの暴力の被害(デートDV)に対しても、対応すること。

<契約に男女平等の視点を>
区が行う入札や契約において、男女平等の視点から、女性幹部社員が多くいる事業者、育児・介護休業取得率の高い事業者などを評価する仕組みを検討すること。

<男女平等参画推進のための体制整備>
全施策についての評価を行うために、男女協働・特命担当課が全庁を統括できるよう一定の権限を与え、協力体制を作ること。男女協働子育て支援部は、男女平等参画の推進にふさわしい名称に変えること。

(9)まちづくりと公有地の活用につい

<四中跡地の区民参画での検討>
 旧四中跡地の利用は、東大のプロジェクトである「船井未来創造館」との共同事業を中止すること。2001年2月の「検討結果報告書」を尊重し、早急に区民参画での検討組織を設置すること。

<元町公園の保存・活用>
唯一の震災復興公園である元町公園の都市計画変更は中止し、区文化財保護審議会に諮問を行うこと。旧元町小学校跡地を元町公園と一体的に保存・活用すること。その活用については、文化施設、福祉施設、区民の活動拠点の場とするなど、区民参画で検討すること。
 
<目白運動場、旧大塚女子アパート跡地について>
 目白運動場の活用については、区民の要望を反映させるための住民協議会を設置すること。
旧大塚女子アパート跡地については、新たに建設される建物に入る施設については再検討を行い、東京都に対し土地の価格は公共減額とするよう求めること。
 
<主要公有地の売却について>
 区内主要公有地の売却については、高層マンション事業者等への売却ではなく、文京区の福祉や教育、環境等の各種の計画に沿うよう国等に求めること。

<まちづくり条例の制定を>
地区まちづくり計画を推進し、近隣紛争の原因となる高層マンションや大規模再開発等については区との協議、地域住民の意見の反映を前提とする「まちづくり条例」を制定すること。区内全域で絶対高さ制限を導入すること。
 
<再開発事業とまちづくりについて>
 多額な税金を投入する巨額再開発は、地域コミュニティーを崩壊させ、まちづくりの観点からも区民の理解が得られるものではありません。
茗荷谷駅前地区再開発事業や後楽2丁目西地区再開発事業については、近隣の住環境に配慮した建物が建設されるよう指導・助言を行い、見直しを行うこと。
春日・後楽園駅前地区市街地再開発事業や今後計画が予想される市街地再開発事業については、低層再開発とするよう指導・助言を強めること。
 
<商店街や中小企業の振興>
 「商店街の振興に関する条例」を積極的に活用すること。中小零細企業や商店に必要な融資制度を改善させること。区内建設事業者への景気対策となる住宅リフォーム助成事業を新設すること。中小企業振興条例の制定と中小企業振興センターの機能拡充を図ること。

<公契約制度の導入>
公契約制度を導入すること。制度化にあたっては、社会保険加入や退職金等の条件を盛り込み、男女均等雇用や障害者雇用を進めること。
 
<エレベーター事故について>
 茗台アカデミーでのエレベーター事故の原因と対策を早急に明らかにすること。事故情報を全て公開すること。エレベーターの保守契約のあり方を早急に見直すこと。国に抜本的な対策を行うよう求めること。 

<コミュニティバスの運行について>
 区内を循環するコミュニティバスは、長期的な視点で地域活性化について評価すること。運営については、住民協議会での住民参画を十分に行うこと。

<バリアフリーのまちづくり>
 公共交通機関や周辺地域のバリアフリーを促進すること。千駄木駅と江戸川橋駅のエレベーター等の早期実現に努力すること。区有施設も障害者・高齢者などの使いやすい施設に改修すること。

<公営競輪復活反対・場外馬券売場撤去>
 都における東京ドームでの公営競輪の復活の動きを断念させるよう区民とともに積極的に行動すること。中央競馬会場外馬券発売所と大井競馬後楽園オフトの場外勝馬投票券発売所は、周辺環境と青少年の健全育成に与える影響が大きいため撤去を求めること。後楽園オフトで南関東3場での馬券発売を早急に中止させること。

(10)防災対策における課題

<地震に強い安心して住めるまちづくりを>
区は木造家屋簡易耐震診断実施を始めましたが、耐震診断から耐震改修への誘導が必要です。現在実施されているセイフティリフォーム支援事業は避難路沿線の建築物しか対象にならず、事業の実効性が上がっていません。地震に強い安心して住めるまちづくりを進めるために区内全域にわたり耐震補強工事の助成を実施すること。

<防災対策条例を実効性あるものに>
高齢者や障害者等の災害時要援護者の支援及び災害時の情報提供システムの確立を早急に行うこと。また、区民防災組織に必要な資器材を支給し、災害時の活動支援を行うこと。
企業との情報交換を密に行い、防災訓練への参加、備蓄の確保など、災害時に区民と協力体制を整えるよう求めること。

<地域防災計画の見直しにあたって>
学校統廃合により学校数減少にともなう地域の避難所のあり方に区民は不安を抱いています。避難所は体育館や教室、給食室を備え、安心して過ごせる公立学校に設けること。また、帰宅困難者対策は東京都と十分な協議を行い、役割分担を明確にすること。計画の見直しに当たっては、女性の視点を反映させること。

(11)リサイクル・清掃事業における課題

<廃プラスチックのサーマルリサイクル実施にあたって>
2008年度の廃プラスチックサーマルリサイクル導入に際しては、区として今以上に廃プラスチックの発生抑制と再使用の推進に取り組むこと。拡大生産者責任の取組みをより強く企業に求めるよう、都と連携して国に働きかけること。これまでの環境教育を後退させることなく、資源の重要性を啓発すること。